たのしき日常

たべたりみたりきいたりして楽しかったこと雑記

東京でのNTLiveの出会いと札幌NTLive上映の諸々について(主にひたすらな感謝)

 

ーはじめにー

Lilyさんの発案の「ナショナル・シアター・ライブアドベント企画」の21日目を担当します阿部と申します。

たくさんの方の素敵な思い出を読ませていただいて、イイ作品は観た人の数だけ物語があるのだなと嬉しくなっています。

本当に素敵な記事ばかりなので、是非是非是非全記事読破をオススメいたします。

adventar.org

 

おそくなりましたが、NTLive10周年おめでとうございます!!

 

NTLiveとは海外の無茶苦茶オモシロイ舞台が最高の字幕とともに3,000円くらいでみれちゃう社会包摂的な仕組みです。本当にこの仕組みをつくろうとしてくださった方々、本当にありがとうございます。今回はどんな内容でも大丈夫とのことだったので、個人的にNTLiveを運営してくださっている中の方々へ、ただただひたすらな感謝をお伝え出来たらいいなと思い、書いています。

 

ー東京でのNTLとの出会いー
NTLiveとの初めての出会いは東京・池袋のシネ・リーブル池袋で上映されていた2020年2月『リーマン・トリロジー』でした。当時(緊急事態宣言がでる前)は、ツイッター(現:X)に多様性をもった舞台の感想が溢れていて、普段厳しいコメントが多い方が『リーマン・トリロジー』をべったべたに褒めていたので、コレはいくしかないと思ってチケットをとりました。映画館には入ってからは「す、、、すごい」「わあ、、、、」「おおお、、、、」と思ってる間に一部が終わり休憩になったことを覚えています。体感で本当に一瞬。そしてぼんやりしながら休憩時間を過ごし、二部を観るもコチラも一瞬。この体験はなんだったのだと思いながら池袋の中国ごはんエリアをうろつき担々麺をすすり副都心線にのって帰宅。電車が東急の学芸大学前あたりを通過している時に夫にLINEをして万難はいして絶対に観てと強く勧めました。

「人」の重なりや連なりが歴史になっていくように感じるのも、音楽がひとつの人格をもっているようにみえるのも、いままで観たことがあるモノとは全然ちがっていて、、!「こ、、コレが海外クオリティーか、、!海外の劇場の本気すごい、、、!」という感動と、字幕がスルスルと脳に入っていき、目の前の人が本当にその言葉をはなしているように聞こえる/見えるというのが初めての体験に興奮し、NTLiveにはまっていきました。

だってNTLiveで受け取ったこの感動を自努力で得ようとすると、イギリスへの往復渡航費+イギリス滞在費+内容を理解するだけの英語能力の取得費がかかるのに、ほぼ3,000円でみせてくれるのです。ハマらない方が難しい。『リーマン・トリロジー』をきっかけにアンコール祭りなどで過去の沢山の素敵な作品と出会えることができました。

本当に本当に本当にNTLiveさんには感謝しかありません。本当にありがとうございます!

 

ー札幌NTL上映にかんする諸々についてー

そんなこんなで大好きになったNTLiveでしたが札幌引越しで少し距離ができました。

2022年6月に家族の仕事がフルリモートになったことをきっかけに、ゴハンが美味しいところで暮らしたいよねという思いから夫と娘と札幌に引越し。過去のナショナルシアターライブのツイートで2021年に札幌で『リーマン・トリロジー』が上映されていたのを拝見していたので、「年一くらいは札幌でも何かしら上映されるだろう」「もし叶うならアンコール祭りみたいなのしてくれないかなー」と希望的観測をもちながら最初の三か月を過ごしていました。しかしNTLiveの上映情報の中に札幌の文字は見つけることはできず。2022年はNational Theater at homeで動力を補充しつつ、NTliveの上映にあわせて東京出張を入れ込むという作戦で1年をしのぎました。(それでも新作が上映される度に毎回行けるわけではないので、首都圏行動範囲民をうらやましがりながら色んな人の感想をみていました。)

 

と!思っていたら2023年8月16日!

突如ナショナル・シアター・ライブのツイッターアカウントで札幌NTLiveまつり(勝手な名づけ)が開催され、しかも『ライフ・オブ・パイ』『フリーバック』『かもめ』『るつぼ』という!!最高のラインナップ!!!!

札幌の海外戯曲好き勢がどんなに沸いたことでしょう!!!!!

嬉しすぎるラインナップに浮かれ、数少ない北海道の知り合いに「絶対観て!」と勧めまくるNTLiveおばさんになっていました。

こんな素敵な企画を温めていてくださった運営のみなさん、本当にありがとうございます。

 

Xで評判をきいて歯軋りをしていた『ライフ・オブ・パイ』は、前評判どおりの豊かな人形操作。舞台構造全体の軽やかさに目を眩ませながら、児童書のような空想とズンと重みのある現実の重なりを感じながら久しぶりのNTLiveの新作にうっとりしました。札幌NTLiveまつりのTOPにもってこいな作品でした。この作品を最初の上映作品にきめてくださったみなさん、ありがとうございます。

そして思い出と衝撃の『フリーバッグ』。関東でアンコール上映があると必ず駆け込んでいた大好きなフリーバック。カラっとしてるのに心臓をギュンと絞りあげられるというか、役割から個を引っぺがしてくれるというか、「ああ、このまま在っていいのだな」と肯定できる懐の深さのある作品。まさか札幌でも観れるなんて…!ラインナップに組み込んでくださり、ありがとうございます。

次に2023年新作ラインナップの『かもめ』と『るつぼ』。2023年の新作ラインナップをまとめて札幌で観れるとは!本来なら往復飛行機代&滞在費をかけて観に行く作品のはずなのに、お金をもらっている気分(?)になりながら鑑賞していました。『かもめ』は、観終わった後に柏木しょうこさんへラブレターを送りたくなるほどキラキラと美しい言葉で紡がれていて。英語を聞いてるはずなのに100%日本語で耳にはいってくるという英語が破滅的にできないからこその摩訶不思議体験をし「ああ、これぞNTLiveの醍醐味のひとつ。最高すぎる字幕よ。」と思いながら東京に感謝の念を送りました。沈んで閉塞した場の重たさをそのまま伝えてくれる『るつぼ』は、人が人以上に大きな塊になる瞬間を目の前でみせつけてくれ、「わああ、最後にコレをもってくるのかー!お腹いっぱい!しあわせ!ありがとうございます!」となりました。

そうなのです。お腹いっぱいと書きましたが、本当にフルコースのようなラインナップでした。最高のフルコースを頂いた所感とともにわたしの中での札幌NTLiveまつりは幕をとじました。

 

こんな幸せな企画をたててくださったNTLiveに携わる皆さん、本当にありがとうございます。今後とも今回のような素敵で楽しい企画を楽しみにしています。

(札幌での上映も今後とも、何卒よろしくお願いいたいます!)

 

そして繰り返しになりますが、NTLive10周年、本当におめでとうございます!!

 

次回は、annnaさんの「オーディエンスの資料を勝手に作ったはなし」です。

なんとも愛の深さを感じるタイトル。拝見するのが楽しみです。